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アレルギー性鼻炎について

公開日:2011.05.13(金)

アレルギー性鼻炎とは?

くしゃみ、鼻水、鼻づまりの3つの症状を起こす、鼻の粘膜の過敏症(かびんしょう)です。

ハウスダストやダニ、スギ花粉などのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が鼻の粘膜を刺激して、鼻汁の過剰な分泌や、鼻粘膜の浮腫(はれ)をおこしてくるために、鼻水や鼻づまりの症状がおこります。

アレルギー性鼻炎は、通年性(一年をとおして症状がつづく)と、季節性(特定の季節に症状がでる)の2つのタイプがあります。「通年性」アレルギー性鼻炎の原因はおもにハウスダストやダニ、「季節性」の原因はおもにスギやブタクサなどの花粉です。

なぜ治療が必要なのか?

  • 鼻づまりで夜も眠れない
  • 鼻づまりがひどくて勉強に集中できない
  • テイッシュが手ばなせない・・・

最近では小学校低学年から中学生、高校生にかけて、アレルギー性鼻炎が増加しています。

ちょうど就学期にあたるため、慢性的な鼻づまりによる集中力の低下や頭痛、夜間の不眠など、鼻づまりや鼻水が、日常生活でさまざまな支障を引き起こしてきます。

これらは、単純に鼻がわるいだけでなく、勉強やスポーツなどにおいて、本来持っている能力さえも発揮できなくなります。

大人でも、慢性的な鼻づまりは、仕事の能率を低下させたり、ひどいいびきや睡眠時無呼吸を起こしてきます。

さらに、においがわからなくなるために、食べ物の味がおいしく感じられず、香りを楽しむといった生活の豊かさも失われてしまいます。このような症状を改善すること、すなわちアレルギー性鼻炎の治療と真剣に向き合うことは、個人の能力をじゅうぶんに伸ばし、仕事や勉強の能率を上げ、生活の快適さを高めることになるのです。

アレルギー性鼻炎に対する治療

アレルギー性鼻炎の治療法は、症状をやわらげる治療と、根治的な治療の2つに分かれます。

全社は、くすりや点鼻薬でくりかえす症状を軽くするという治療、後者は、根治的な手術を受けてほとんど完全に治してしまう治療。どちらを選択するかは、あくまで、個人個人のアレルギー性鼻炎の病態に関係してきます。

くすりが効かない人に、くすりの治療は無駄で意味のないものですし、軽症の人に手術は必要ありません。これは、詳細な問診、CTやレントゲンを含む精密な検査、内視鏡所見などによって個別に決定されるべきです。

以下に、一般的におこなわれる、くすりの治療以外のアレルギー性鼻炎の治療法を示します。


STEP1:レーザー治療とは?

一般にレーザー治療(手術)とよばれているものは、炭酸ガス(CO2)レーザーのことです。CO2レーザーを鼻粘膜に照射してやけどを起こさせ、焼灼した部分の粘膜が瘢痕化する(固くなる)ことで、アレルギー反応を起こしにくい状態にする方法です。多くの施設で行われ、有効性は実証済みですが、鼻内に侵出液やかさぶたがしばらくつくのがやや難点です。


STEP2:アルゴンプラズマ凝固(APC)とは?

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アルゴンプラズマ凝固(APC)は、レーザーに替わり、2000年ごろから登場してきた治療法です。鼻粘膜にアルゴンガスを噴きつけ、このアルゴンガスをとおして、高周波電流が放電され、鼻粘膜を電気凝固させる方法です(図1)。CO2レーザーが粘膜表層のみを焼灼するのに対して、アルゴンプラズマ凝固(以下APC)は、鼻粘膜の粘膜下まで凝固ができるので、より効果が長く継続するといわれています。TV等でも取り上げられ、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。当院でも、2001年に導入し、主として手術室で使用しています。


STEP3:セロン(粘膜下高周波凝固)とは?

ドイツで開発され、日本でも2005年頃から、最も新しい治療法として登場したのが、セロン(Celon)という治療法です。

これは、鼻粘膜の内側に針状のバイポーラ電極(図2)を刺入して高周波を通電し、粘膜下の凝固をおこなう方法です(図3、図4、図5)。

簡単にいえば、APCやCO2レーザーが鼻粘膜の表面とその直下を外側から焼くのに対して、セロンは粘膜表面をまったく傷つけず、鼻粘膜の内側だけを凝固させます。

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※図2 針状プローブ

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※図3 プローブの搾刺箇所

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※図4 プローブと下鼻甲介の位置

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※図5 治療前

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※治療後4週間


STEP4:ヴィディアン神経切除術

重症のアレルギー性鼻炎の方へ

アレルギー性鼻炎は、一生なおらない病気とあきらめている患者さんが多いのではないでしょうか? たしかに、アレルギーは、人間が生まれながらにもっている、免疫(めんえき)に深くかかわっているために、体から完全になくしてしまうことはできません。しかし、どんなにひどいアレルギー性鼻炎も、「簡単な手術」によって、症状をなくしてしまう方法があるのです。

症状

最近は小学校低学年から中学生、高校生にかけて、「鼻づまりで夜も眠れない」、「鼻水が多く、いつも鼻がグズグズしている」「耳鼻科に通っているのに、いっこうに鼻づまりがよくならない」というようなくすりのきかないアレルギー性鼻炎が増加しています。ちょうど就学期にあたるため、慢性的な鼻づまりによる口呼吸や夜間の不眠、頭痛が、集中力の低下をまねき、学力の妨げになるだけでなく、性格の明るさや積極性までも失わせてしまいます。

一日中鼻づまりのひどい重症の鼻炎に対しては、のみぐすりも、レーザー治療やアルゴンプラズマ凝固によっても十分な効果を得ることはできません。これは鼻の中の粘膜が慢性的に肥厚(ひこう)しているために、いつも鼻がふさがった状態になっているからです。さらに、鼻腔にきている副交感神経が異常興奮しているため、アレルギーのスイッチが入ったままの状態となっており、「鼻水が止まらない」、「テイッシュがてばなせない」、などの症状がおこるのです。

治療方法

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一日中鼻づまりや鼻水がつらい、重症タイプの鼻炎に対しては、くすりやレーザー治療、アルゴンプラズマ凝固でも十分な効果はありません。

このような重症の鼻炎に対しては、手術によって、腫れている粘膜を切除して鼻づまりをなくし、アレルギーの神経を遮断することで、アレルギー性鼻炎を完全にブロックすることが可能です。アレルギー性鼻炎は手術で治るのです。

手術は、麻酔で眠った状態で、内視鏡を鼻の穴から挿入して行ないます。鼻腔の7cm奥を電気メスで10mmほど切開し、粘膜を剥離(はくり)すると、アレルギー性鼻炎の原因となる副交感神経の一部(ヴィデイアン神経)が確認されるので、この神経を切除します。この神経は、切除しても鼻水以外の症状に影響を与えません。

手術は、全身麻酔で、両側同時に行い、他の手術と併用して約40~50分くらいです。簡単な手術ですが、術後は出血と感染の予防のために、鼻腔にガーゼをつめて3~4日入院していただきます。全身麻酔は、熟練した麻酔科専門医によって行なわれます。

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