後鼻漏

鼻からのどへ流れてくる、すごく嫌な症状。これが後鼻漏です。副鼻腔炎の症状の1つですが、難治性で治療が難しい症例もあり、患者さんも苦労します。

今回は、後鼻漏について書いてみたいと思います。

後鼻漏とは?

後鼻漏とは、鼻咽腔に何かあると感じ、繰り返しの嚥下などによる意図的な方法で除去できない状態と定義されています。
患者さんは、鼻汁がのどにおりてくる、鼻とのどの境にどろっとした鼻水や痰がへばりつく、などと訴えます。1日中流れてきて相当気持ち悪いようです。

原因は?

鼻副鼻腔からは1日約6lもの分泌液が産生されています。多くは、吸気の加湿、加温、水分の再吸収などで消費されて、残りが鼻腔の粘液線毛運動機能によって後鼻孔から咽頭に流れてきます。通常では、自覚されることなく嚥下されますが、鼻副鼻腔からの分泌液量の増加や粘度の変化、粘液線毛機能の障害などがあると、後鼻漏として自覚されます。

したがって後鼻漏の治療は、鼻副鼻腔の分泌液の減少、鼻漏の粘性の低下、粘液線毛機能の正常化の3つにほかなりません。

診断は?

鼻咽腔ファイバースコープで、鼻副鼻腔全体を、さらに上咽頭から下咽頭、喉頭までを詳細に観察します。
鼻副鼻腔炎はないか?中鼻道、上鼻道に粘膿性の分泌液はあるか?上鼻道、中鼻道、下鼻道に後鼻漏が流れているのが観察されるか?上咽頭の状態は?分泌液の貯留はあるか?下咽頭喉頭に痰が貯留しているか? などです。
実際に後鼻漏が観察されることもあります。また後鼻漏は全く観察されないにも関わらず、つよい後鼻漏感を訴えることもあります。

画像検査は必須です。
後鼻漏の原因としてもっとも多い慢性副鼻腔炎の診断を正確に行います。レントゲン撮影でも可能ですが、レントゲンで判定しにくい部位の炎症を見落とさないためには、CTが絶対的に有利です。CTでは、副鼻腔炎があるかないかが100%診断可能だからです。

疾患は?

後鼻漏を起こす代表的な疾患があります。

①慢性副鼻腔炎
②アレルギー性鼻炎
③かぜ症候群(急性上気道炎)
④下鼻甲介腫大、鼻中隔結節
⑤上咽頭炎
⑥Tornwaldt 病
⑦加齢性変化
以下、各疾患について要点を述べます。

①慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎では、膿性または粘性の鼻汁が増加し、前鼻孔から落下することはなくすべて後鼻孔に流れます。さらに副鼻腔炎により粘液線毛機能が低下しているため、鼻汁が鼻腔に停滞します。鼻汁の粘度、弾性は上昇し、後鼻漏として連続するため、嚥下運動のとき軟口蓋の挙上で切り離せすことができずに、後鼻漏の不快感が消えません。
鼻咽腔ファイバーでの観察では、慢性副鼻腔炎では粘性後鼻漏が多く、好酸球性副鼻腔炎では膠状の後鼻漏が観察されることがあります。

②アレルギー性鼻炎

2番目の原因として、アレルギー性鼻炎が報告されています。アレルギー性鼻炎の鼻汁は、漿液性でサラサラしており、容易に嚥下されるために、あまり臨床上問題にはなりません。アレルギー性鼻炎による鼻汁の増加、つよい鼻閉による鼻汁クリアランスの低下、口呼吸による咽頭乾燥などが増悪の因子と言われています。

③かぜ症候群(急性上気道炎)

3番目の原因です。急性鼻炎を発症すると、鼻汁分泌過多になり、粘性の低い水様性鼻漏は前鼻孔から出ますが、細菌性副鼻腔炎の併発による粘膿性の鼻汁が鼻腔内に貯留して、粘液線毛機能障害のため鼻汁クリアランスが低下し、後鼻漏となります。慢性副鼻腔炎に類似していますが、急性炎症によるものです。

④下鼻甲介腫大、鼻中隔結節

下鼻甲介の前端後端は、とくに鼻腺組織が多く存在しており、鼻腺からの過剰な鼻汁分泌で後鼻漏の症状を起こすことがあります。鼻中隔結節にも鼻腺が多く存在し、過剰な鼻汁分泌と鼻中隔結節腫大による鼻腔後方の気流減少が粘液線毛機能低下を起こして、鼻汁の停滞から後鼻漏症状を起こしやすくなります。

⑤上咽頭炎

上咽頭の分泌物の増加と炎症刺激による異物感が原因です。鼻咽腔ファイバーで、上咽頭の発赤びらん、分泌物付着、痂皮形成が観察されます。

⑥Torn waldt病

胎生期の鼻咽頭囊が遺残し、感染などによって膿瘍を形成した状態です。鼻咽腔ファイバーで、上咽頭正中に嚢胞形成をみとめます。治療は嚢胞の外科的摘出、開放です。

⑦加齢性変化

高齢になると、鼻粘膜過敏性の亢進や副交感神経優位の状態から、漿液性鼻漏が増加します。粘液線毛機能は低下して、鼻腔内に停滞しやすくなります。唾液分泌減少や嚥下機能低下、咽頭乾燥などもあいまって、後鼻漏の原因となります。実際に後鼻漏を観察できる場合も観察できない場合もあります。

治療は?

原因疾患に対する治療を徹底的に行います。
①慢性副鼻腔炎

マクロライド系抗菌薬の内服治療を行います。ムコダイン(カルボシステイン)を併用すると効果が増大すると報告されてきます。内服治療で効果不十分な場合には、手術治療(ESS)が考慮されます。ESSによって副鼻腔を単洞化し、炎症性物質を洗い流して、粘膿性鼻汁の減少と粘液線毛機能の正常化を図ります。ただ、手術治療を行っても、後鼻漏症状が改善しない例があり、好酸球との関与が報告されています。

②アレルギー性鼻炎

前述のように、アレルギー性鼻炎では大きな問題にはならないことが多いようです。治療は、薬物治療、免疫療法、手術治療などがあります。坑ロイコトリエン拮抗薬が後鼻漏症状を有意に改善したとの報告があり、鼻粘膜の血管透過性の亢進が、後鼻漏症状に関与している可能性が示唆されています。

③かぜ症候群(急性上気道炎)

慢性副鼻腔炎の病態と類似しています。慢性副鼻腔炎の治療に準じてマクロライド系抗菌薬とカルボシステイン製剤の併用が中心となります。

④下鼻甲介腫大、鼻中隔結節

病態が、鼻腺からの水様性鼻汁分泌過多と鼻腔通気抵抗増大によるものです。アレルギー性鼻炎と類似の病態と考えられますので、アレルギー性鼻炎治療に準じて治療を進めます。薬物治療、免疫療法、手術治療です。

⑤上咽頭炎

生理食塩水による鼻洗浄が勧められます。1%塩化亜鉛製剤を上咽頭粘膜に綿棒でつよく塗布する治療(Bスポット治療)が昔から多くの耳鼻咽喉科で行われてきました。治療効果についての大規模なスタディはなくエビデンスは不明ですが、著効する症例が存在します。後鼻漏に対して60%以上の効果がみられたとの報告があります。疼痛があり、綿棒で出血するくらいつよく擦る治療で、繰り返しの治療が必要なため、他の明らかな原因がなく、後鼻漏症状が明らかな上咽頭炎によるものと診断されれば、行う価値があるかもしれません。
私個人的には、数例に施行した経験はありますが、効果については不明です。

⑥Torn waldt病

前述のように胎生期の嚢胞形成によるものです。良性疾患です。根治的には、外科的手術が考慮されます。

⑦加齢性変化

加齢のため、鼻粘膜の過敏性亢進や副交感神経優位の状態になり、水様性鼻漏が増加し、さらに鼻粘膜の温度低下により水分の再吸収が減少します。粘液線毛機能低下および嚥下機能低下などによって、後鼻漏が生じます。鼻腔生理機能の変化によるものですので、根本的な治療が難しく、マスク着用、体を温める、漢方薬の内服など、対症療法が望まれます。

おわりに

後鼻漏は、鼻の症状の中でも、なかなかすっきり治らない症状の1っです。それは、後鼻漏症状が単一の原因によるものではなく、恐らくは複数の原因が混在していることが理由の1つかもしれません。長く臨床医をしてきて、後鼻漏症状に対する治療でもっとも大切なことは、正しい診断のような気がします。
内視鏡、CT、MRI、必要があれば内科的な全身検索など。診断が正確で適切でないと、後鼻漏症状を和らげることは難しいと思っています。

「正しい診断は、治療への最短距離です。」

開院以来の、当院のポリシーです。

今回は、後鼻漏のお話でした。

何かのどに流れてくる (イメージです)

抗ヒスタミン薬 -その1-

抗ヒスタミン薬-花粉症の薬で一度は名前を聞いたことがある方もおられると思います。

一般に花粉症の薬には、ケミカルメディエイター遊離抑制薬、受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、ステロイド薬、生物学的製剤、漢方薬など多くの薬剤があります。
今回は、受容体拮抗薬である抗ヒスタミン薬について書いてみます。

ヒスタミンとは?

花粉症のひどいアレルギー症状は、主にヒスタミンやロイコトリエンという物質が原因となって起こることを、前回までに書いてきました。(topics ヒスタミン参照)

花粉が鼻粘膜にくっつくと、花粉のアレルゲンタンパクが、鼻粘膜の粘膜下や血管周囲に存在している肥満細胞上のIgE抗体と反応して肥満細胞からたくさんのヒスタミンが放出されます。ヒスタミンは、三叉神経の知覚神経終末を刺激して、延髄の網様体にインパルス(信号)が伝わります。延髄の網様体からは、翼口蓋神経節へインパルスが伝わって連発するくしゃみや、大量の鼻水がでてくるのです。
花粉症の薬で一躍有名になった、抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンの働きをブロックする薬です。ヒスタミンの働きをなくしてしまうことで、花粉症が鼻粘膜にくっついても、くしゃみや鼻水が出ないようにするのです。

抗ヒスタミン薬の働き

ヒスタミンは鼻粘膜の三叉神経終末に存在するヒスタミンH1レセプターに鍵-鍵穴の反応でくっつきます。三叉神経のH1レセプターがヒスタミンに占拠されてしまうので、三叉神経からの大量のインパルスが延髄の網様体に伝わるのです。それが、先に書いた翼口蓋神経節からのくしゃみ、鼻水への反応へとつながっていきます。
このヒスタミンレセプターを他の物質で占拠してしまうと、遊離したヒスタミンは、もうH1レセプターを占拠できませんので、ヒスタミンレセプターから三叉神経のインパルスは伝わらなくなります。三叉神経からのインパルスがなければ、くしゃみ鼻水の反応は進みません。このヒスタミンH1レセプターを占拠する薬が、抗ヒスタミン薬なのです。

第一世代 第二世代

花粉症の薬で有名になった抗ヒスタミン薬は、どうやって花粉症を抑えてくれているのか、すこし理解できたと思います。ところで、実際の抗ヒスタミン薬には、どんな薬があるのでしょうか。

抗ヒスタミン薬には、第一世代、第二世代があります。第一世代の抗ヒスタミン薬は、一般にくしゃみ、鼻水には効果がありますが、鼻づまりに対しては効果が劣るとされています。さらに、第一世代の抗ヒスタミン薬には、脳内のH1レセプターにも作用する薬が多かったために鎮静作用による眠気や、アセチルコリンという神経伝達物質の働きまでブロックしてしまう抗コリン作用による、口渇、便秘、悪心、排尿障害などの副作用がありました。花粉症の薬で”眠くなる”とは、昔よく言われましたね。”眠くなる薬の方がよく効く”などとも言われていました。さらに、抗コリン作用があるため、緑内障の患者さんでは眼圧を上昇させるため処方できないことや、前立腺肥大の患者さんでは排尿障害を悪化させるために処方できないなどの制限がありました。さらに、最近は多くみられる高齢者の花粉症に対しても、口渇や排尿障害、緑内障などの理由に加えて、眠気によるふらつき、転倒などの危険性から処方しづらかったのも事実です。
最近の花粉症治療で使用される第二世代の抗ヒスタミン薬は、第一世代の鎮静作用や抗コリン作用が軽減され、多彩な抗アレルギー作用を有しているため、くしゃみ鼻水だけでなく、鼻づまりにも効果があり、眠気も少ない優れた薬が数多く処方されています。

第二世代
抗ヒスタミン薬

それでは、実際の花粉症診療で処方されている薬剤には、どのような種類があるのでしょうか。ここでは、わかりやすくするために実際に処方されている薬剤を一覧にしました。
第二世代抗ヒスタミン薬のみ掲載しました。
(ア-オ順)

アゼプチン(アゼラスチン)
アレグラ(フェキソフェナジン)
アレサガテープ(エメダスチン外用)
アレジオン(エピナスチン)
アレロック(オロパタジン)
エバステル(エバスチン)
クラリチン(ロラタジン)
ザイザル(レボセチリジン)
ザジテン(ケトチフェン)
ジルテック(セチリジン)
ゼスラン(メキタジン)
セルテクト(オキサトミド)
タリオン(べポタスチン)
ディレグラ(プソフェキ配合)
デザレックス(デスロラタジン)
ニポラジン(メキタジン)
ビラノア(ビラスチン)
ルパフィン(ルパタジン)
レミカット(エメダスチン)

ご覧のように、実にたくさんの第二世代抗ヒスタミン薬が処方されています。
あれ?僕の(私の)毎年飲んでいる花粉症の薬がない!と思われた方がおられると思いますが、抗ヒスタミン薬は、花粉症の薬の一部なのです。その他に冒頭に書いた、ケミカルメディエイター遊離抑制薬、抗ロイコトリエン受容体拮抗薬、抗プロスタグランディンD2受容体拮抗薬や抗トロンボキサンA2受容体拮抗薬などの受容体拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬、漢方薬など、多くの薬剤があります。
バイナス、アイピーディー、キプレス(モンテルカスト)、シングレア(モンテルカスト)、オノン(プラルンカスト)、小青竜湯などです。
すべての薬の特徴は、薬価や保険収載年度、主な副作用を含めて、ウェブ上に公開されています。

改めて、これだけ多くの花粉症の薬(抗アレルギー薬)が開発されていることに驚かされます。それほど医学の中で、耳鼻咽喉科の花粉症やアレルギー性鼻炎以外にも、アレルギー関連の疾患は多いと考えてください。
必要があるから薬が開発されているのです。

どの薬が効く?

それでは、抗ヒスタミン薬として、どの薬がより効果があるのでしょう。

花粉症で耳鼻科に通院したことがある方ならおわかりになると思いますが、結局どの薬がその人にいちばん効果があるかどうかは、飲んでみないとわかりません。現在、市場に出回っている薬は、基本的にどの薬もすべて良い薬ですので、どの薬を飲んでもかなり症状を和らげることができます。ただ、その中で自分に最もあった薬を見つけるのは簡単ではないかもしれません。
花粉症というアレルギーの病態は同じでも、一人ひとりの免疫系が微妙に違い、アレルギーの重症度が違うわけですので、一概にこの薬がすべての人に最高ですとは言えません。ある人によく効く薬がある人にはあまり効きません。同じ薬で、ある人は全然眠くならないのにある人はすごい眠気がきます。結局、いくつかの薬を飲んでみるうちに、これだ!という薬に出会うことになります。その薬は一人ひとり違うのが普通です。たいていは、鼻の症状がとくにひどい時に、はじめに良く効いた薬がその薬になることがほとんどですが。

花粉症の患者さん一人ひとりが、自分に良く効く薬に出会うと、幸せな処方が始まります。あなたも1日も早く自分のお薬を見つけてください。

ご自分によく効く薬を…(イメージです)

ヒスタミン

アレルギー性鼻炎の薬を飲んだことがある方は、抗ヒスタミン薬という名称を聞いたことがあるかもしれません。ヒスタミンは、アレルギー性鼻炎が起こるときに、鼻粘膜で中心的な働きをする物質です。そもそも、ヒスタミンとは何でしょう?
今回は、ヒスタミンのお話です。

ヒスタミンとは?

ヒスタミンは、化学名β-イミダゾールエチルアミン。必須アミノ酸の1つ、ヒスチジンから合成される生体アミンの1種です。

ヒスタミンは、肺、肝臓、胃、大脳など生体に広く分布しています。通常は、肥満細胞と好中球の中の顆粒に含まれて存在しています。ヒスタミンは、ヘパリンというタンパク質と結合して不活化(働かない)状態で存在し、肥満細胞の表面でIgE抗体が抗原と結合して、抗原抗体反応が起こったとき、肥満細胞から出て遊離し、活性化します。そして、生体のアレルギー反応を促進します。これを脱顆粒といいます。

ヒスタミンは、外傷、熱傷などの物理的侵襲、毒物、薬物などの化学的侵襲でも、遊離し活性化します。ヒスタミンは、生体のアレルギー反応を促進するだけでなく、ときにアナフィラキシーショックを起こします。ヒスタミンは、ごく一部は、血漿中に活性型で存在します。

ヒスタミンは、体外にも存在しています。ヒスタミン産生菌として知られる、Morganella morganii (モルガン菌)により、ヒスチジンより産生されます。ヒスチジンを多く含む食物が腐敗の過程でこのモルガン菌によって、ヒスタミンに変換されます。
ヒスタミンを含む食物を摂取すると激しいアレルギー反応(アナフィラキシー)を起こし、ヒスタミン食中毒として知られています。

作用は?

ヒスタミンの作用は、
①平滑筋(気管支、腸管)の収縮
②細動脈の拡張による急激な血圧降下(ヒスタミンショック)
③毛細血管透過性亢進による浮腫
④胃腺の分泌亢進
などです。
神経組織では神経伝達物質として働きます。

ヒスタミンには、4つの受容体が存在します。H1, H2, H3, H4, の受容体は、それぞれヒスタミンが結合したときの働きが異なります。

H1 炎症やアレルギー反応
H2 胃酸分泌
H3 神経伝達物質 ヒスタミン、セロトニン、ノルアドレナリンの放出促進
H4 胸腺、脾臓、小腸などで発現。痒みに関与すると考えられているがまだ不明
このうち、鼻粘膜のアレルギー性鼻炎に関与するものは、ヒスタミンのH1受容体です。
やっと鼻粘膜とつながってきました。

くしゃみと鼻水

花粉やハウスダストなどのアレルゲンに暴露後、鼻粘膜の肥満細胞表面でIgE抗体と抗原抗体反応が起こり、肥満細胞から放出されたヒスタミンが三叉神経終末のH1受容体を興奮させ、延髄網様体にあるくしゃみ中枢にインパルスが伝わります。くしゃみ中枢からの神経回路で、くしゃみが起こります。(Topicsくしゃみ参照)
三叉神経終末のH1受容体からの興奮は、三叉神経脊髄路核を経由して橋延髄網様体の唾液核にインパルスが伝わります。唾液核からのインパルスは、翼口蓋神経節を経由して鼻粘膜に伝わり、鼻水が増加します。(Topicsくしゃみ参照)

くしゃみと鼻水は、このようにヒスタミンによって引き起こされる神経反射と言うことができます。

化学伝達物質

アレルギー反応には、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ、Ⅳ型の4種類が存在します。鼻粘膜で起こるアレルギー性鼻炎はⅠ型アレルギーで、即時型と呼ばれています。抗体の主役はIgE抗体です。IgE抗体は肥満細胞の表面に存在しており、抗原と結合して抗原抗体反応を引き起こすことによって、肥満細胞、好中球の細胞質に存在するヒスタミンが脱顆粒によって細胞外に遊離します。このとき、各種の化学伝達物質(ケミカルメディエイター)も放出され、合わせてアレルギー反応を促進します。化学伝達物質には、反応前から肥満細胞や好中球の中に存在している物質と抗原抗体反応が起こった後に新たに細胞膜の脂質から産生される物質があります。前者の代表はヒスタミンで、後者には、プロスタグランディン(PGE2, PGD2, PGF2α)、トロンボキサン、ロイコトリエン(LTC4, LTD4, LTE4, SRS-A)、血小板活性化因子(PAF)、好酸球から分泌されるMBP, EPO, ECP, 軸索反射によって分泌されるサブスタンスP、ニューロキニンA, B, カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)などの物質があります。(これらの物質は理解しなくて大丈夫です。)

これだけ多くの物質がⅠ型アレルギーに関与しています。その中で最も重要な働きをするのがヒスタミンです。ロイコトリエンが2番目です。鼻粘膜で起こるアレルギー反応の主役はこの2つの物質によると言っても過言ではないと思います。それは、一言で言うと、ヒスタミンがくしゃみ、鼻水に、ロイコトリエンが鼻づまりに深く関与しているからです。

Ⅰ型アレルギー

鼻粘膜のⅠ型アレルギー反応は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりの順に起こります。
抗原暴露直後、肥満細胞からのヒスタミン放出は瞬時に終わるため、ヒスタミンを介したくしゃみの神経反射は、直後から起こります。
同様に、ヒスタミンを介した鼻汁の神経反射も、直後から起こります。
ところが、鼻づまりに関しては、直後からでなく、抗原暴露後1時間後と4-6時間後の2相性にピークが出現します。これは、鼻づまりにつよく関与する脂質メディエイターのロイコトリエンが産生放出されるのに時間を要するからです。

プライム効果とMPI

アレルギー性鼻炎における鼻粘膜の過敏性は、繰り返す抗原の刺激によって亢進することがわかっています。
アレルゲンディスクによって鼻粘膜に置く抗原誘発試験を行った翌日に、再び抗原誘発試験を行うと、初回に必要とした10-100分の1の抗原量ですでにアレルギー反応が始まります。繰り返す抗原刺激は、アレルギー反応の閾値(反応が始まる値)を著しく低下させ、鼻粘膜の過敏性亢進を引き起こしています。
これをプライム効果と呼びます。
鼻粘膜の過敏性は、抗原暴露後4時間でほぼピークに達し、48時間はピークが続きます。48時間を超えると徐々に減少して、7日後に、過敏性は抗原暴露前に戻ります。このことから、一度抗原暴露されると、48時間以内は過敏性はピーク値を維持しており、つぎの抗原暴露に対して非常に反応しやすい状態が作られていることが明らかになっています。

症状を発現しない程度の抗原暴露でも、鼻粘膜には、好酸球や好中球などの浸潤がみられ、炎症が起こっています。これは、最小持続炎症(minimum persistent inflammation ) MPI と呼ばれていて、明らかなアレルギー症状が起こっていない鼻粘膜でも、ある程度の炎症が持続している状態を意味します。最小持続炎症は、鼻粘膜の過敏性を亢進します。そのため、本格的なアレルギー反応が起こったときのブースター効果になります。言い換えると、下火が消えずにずっとくすぶっている状態に、いったん火がついたらあっという間に大きな炎になるようなものだと思ってください。アレルギー性鼻炎の患者さんの鼻粘膜は、症状がない時でも、完全に火が消えてしまってはいないのです。
このプライム効果と最小持続炎症(MPI)の2つが、鼻粘膜の過敏性を亢進させていると言われています。
“いったん花粉症が発症すると、次の年は花粉飛散が極端に少なくても症状が出てしまう”、などという現象は、これで説明できることになります。
すなわち、アレルギー性鼻炎の患者さんは、年々、わずかな刺激でも症状が出やすくなっていき、悪循環に陥りやすいと言えるかもしれません。

鼻粘膜の過敏性

上記の事実をまとめると、鼻粘膜の過敏性には、プライム効果とMPIが深く関与しており、抗原暴露後48時間は過敏性がピークを示します。
この時期に再度抗原暴露があると、過敏性が最高値をとるタイミングで抗原抗体反応が惹起されることになり、プライム効果をより一層増強させる方向に働くのではないかと考えられます。

抗ヒスタミン薬

ヒスタミンが、くしゃみ、鼻水に、ロイコトリエンが鼻づまりに関与していることが理解できたと思います。

アレルギー性鼻炎の治療薬は、ケミカルメディエイター受容体拮抗薬、ケミカルメディエイター遊離抑制薬、Th2サイトカイン阻害薬に大別されます。抗ヒスタミン薬はケミカルメディエイター受容体拮抗薬ですから、治療薬としての抗ヒスタミン薬は、ヒスタミン受容体拮抗薬ですので、当然、くしゃみ、鼻水に効果があります。
また、抗ロイコトリエン薬は、ロイコトリエン受容体拮抗薬ですので、鼻づまりに効果があります。

以上のことから、アレルギー性鼻炎や花粉症で、くしゃみ、鼻水型の患者さんには、抗ヒスタミン薬を、鼻づまり型の患者さんには、抗ロイコトリエン薬を、くしゃみ、鼻水、鼻づまりを示す最重症型の患者さんには、抗ヒスタミン薬と抗ロイコトリエン薬を併用して、処方すべきであることが理解できたと思います。

この処方は、鼻アレルギー診療ガイドラインに記載されている治療薬と全く同じです。
きちんと整合性がとれていますね。

第2世代

抗ヒスタミン薬は、第1世代と第2世代があります。第1世代薬の1番の欠点は、脳への影響が大きく、つよい眠気や認知機能低下があることです。自動車の運転、精密機械の運転や作業などに従事できないことになっており、専門ドライバーの方や特殊な運転機械を扱う職業の方には、非常に飲みにくい薬でした。
第2世代の抗ヒスタミン薬は、副作用も少なく服用しやすくなっています。自動車運転が可能な薬、注意して可能なくすり、運転不可の薬と3種類に分けられています。

かかりつけの耳鼻咽喉科医師に処方してもらう際には、薬の副作用をよく聞いて、職業などに合わせて適切な処方をしてもらうよう、気をつけてください。

抗ヒスタミン薬 (イメージです)

アレルギーと免疫-その2-

前回、アレルギーと免疫-その1-で書いたことの延長です。今回は、免疫一般について知識を広げたいと思います。

自然免疫と獲得免疫

あいつは免疫がある。まだ免疫がないから…などと日常で使う免疫という言葉の意味はさておいて、今回も、すこし基礎的な免疫のお話から入ります。

そもそも、自然界の免疫には、自然免疫と獲得免疫の2つがあります。
自然免疫は、人間にもともと備わっているもので、自分と自分以外(非自己)を認識して、非自己である病原体(細菌やウィルス)を攻撃してくれるものです。切り傷ができるとそこに細菌が入ってきますが、すぐに白血球が集まってきて細菌と戦います。具体的には、白血球やマクロファージ(大食細胞)が細菌を貪食(食べること)してしまいます。自然免疫ではたらく細胞には、好酸球、好中球、好塩基球、マクロファージ、樹状細胞、NK(ナチュラルキラー)細胞などがあります。自然免疫は遺伝子に記憶されており、一度活性化した自然免疫は、再び異物の侵入に対して迅速に働くようになっています。

獲得免疫は、一度侵入した病原体の情報を記憶しておいて、次の攻撃のとき、いち早く対処できるようにする働きのことです。一度かかった病気に罹りにくいのは、この獲得免疫のおかげです。さらに獲得免疫は、自然免疫が不得意とする、血液中に侵入した病原体や細胞の中に取り込まれた病原体に対しても素早く攻撃できます。これは獲得免疫が、病原体に対する特定の「抗体」を作っておいて、それに反応するようになっているからです。獲得免疫で働く細胞には、B細胞、形質細胞、ヘルパーT細胞、キラーT細胞、制御性T細胞、メモリーB細胞などがあります。このうち、ヘルパーT細胞が、獲得免疫の司令塔です。ヘルパーT細胞は、病原体や病原体に感染した細胞を素早く見つけて、攻撃対象として他の免疫細胞に知らせる役目をもっています。B細胞は、T細胞の司令で形質細胞に分化して、病原体に対する抗体を産生します。B細胞自身も抗体を作ります。産生された抗体が、抗原(細菌やウィルス)と鍵と鍵穴の1対1の反応を起こすことで、抗原を攻撃するのです。メモリーB細胞は、一度入ってきた抗原の情報を記憶します。

このように、人の免疫系は、自然免疫と獲得免疫が同時に存在して、お互い協力して病原体の侵入に対抗しているのです。

獲得免疫のメカニズム

実際の獲得免疫の働き方は、

①まず病原体が侵入してくると、白血球やマクロファージが集まってきて病原体を貪食(食べること)します。
②次に、樹状細胞が病原体を認識して、抗原を細胞の表面にくっつけたまま、リンパ節へ行き、ヘルパーT細胞に「こんな病原体が来てるよ!」と知らせます(抗原提示) 。
③病原体の知らせ(抗原提示)を受けたヘルパーT細胞は、別のヘルパーT細胞に変身します。ヘルパーT細胞は、病原体が細菌やウィルスの場合は、Th1細胞に、病原体が花粉、ダニ、カビなどの場合は、Th2細胞に変身します。
④Th1細胞、Th2細胞は、それぞれB細胞に指令を出して、抗体を作らせます。このときB細胞に指令を出すための物質がサイトカインと呼ばれる低分子タンパクです。Th1細胞が出すサイトカインは、IFN-γ(インターフェロン)、IL -2 (インターロイキン) です。Th2細胞が出すサイトカインは、IL-4, IL-5, IL-13です。
⑤Th1細胞が出すサイトカイン(IFN-γ)は、B細胞だけでなく、マクロファージ、キラーT細胞、NK細胞などを活性化して、これらの細胞が細菌やウィルスを貪食して(食べて)殺してしまいます。Th1細胞自身も現場に駆けつけて、細菌やウィルスを貪食します。またTh1細胞は、B細胞を活性化させて細菌やウィルスに対する抗体を産生させます。抗体は次の感染のときすぐに働けるように、別のメモリーB細胞に記憶されます。
⑥Th2細胞が出すサイトカイン(IL-4, IL-5, IL-13)は、B細胞を活性化させて抗体を産生させます。刺激されたB細胞は、成熟して形質細胞になり、この形質細胞が抗体(IgE, IgG, IgA )を産生します。産生された抗体が病原体を攻撃するのです。
しかし、花粉やダニ、カビなどは実際には生命を脅かす悪者ではありません。だから、免疫機能が敵(生命を脅かす病原体)と勘違いして抗体を産生して戦っているあいだ、体の中では過剰なアレルギー反応が症状として現れるのです。

Th1/Th2バランス

ヘルパーT細胞から分化する、Th1細胞とTh2細胞は、Th1細胞が優位になるとTh2細胞が減少し、Th2細胞が優位になるとTh1細胞が減少するというように、お互いにTh1/Th2バランスをとりながら免疫系が機能していると考えられています。さらに、Th1細胞はTh2細胞の過剰な反応を抑制する働きがあることがわかっています。

Th1, Th2, 以外にも別のサブセット、Th17 細胞が存在します。このTh17 細胞は、関節リウマチなどの自己免疫疾患や多発性硬化症、潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患の免疫応答に関与していることがわかっています。

その他の免疫細胞

人の体内には、その他にもいくつもの種類の免疫細胞が存在します。免疫応答を抑制する制御性T細胞(regulatory T Cell =Treg) がその代表です。今まで免疫応答を促進する細胞ばかりを取り上げてきましたが、Treg 細胞は、免疫応答を抑制します。じつはこのTreg細胞は、非常に重要な働きをしていますが、紙面の関係で、ここでは省略します。さらに近年、新たにTfh 細胞が発見されその機能が少しずつ解明されてきています。

少し詳しくなってしまいました。
これが人の免疫系の基本事項です。アレルギーと免疫-その1-で、お伝えした内容と、すこし重複しさらに詳しくなりましたが、とても重要なことですので、大まかにでも良いので再度理解してください。

Th2の過剰な反応

病原体が花粉やダニ、カビなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)のときは、前記のとおり、ヘルパーT細胞からTh2細胞分化が進み、B細胞が形質細胞に成熟してIgE抗体が産生されます。
このIgE抗体が過剰に産生されたとき、アレルギー反応が起こります。産生されたIgE抗体は、表皮、粘膜、血管周囲に多く存在する肥満細胞の表面にくっついた状態でアレルゲンを待ちます。再度アレルゲンが侵入し、肥満細胞表面のIgE抗体と抗原抗体反応を起こすと、肥満細胞の細胞内に蓄えられていた顆粒が細胞外に放出され、ヒスタミン、ロイコトリエンなどのケミカルメディエイターが遊離して、数分でアレルギー反応が起こるのです。

衛生仮説

さて、これからが臨床的なお話の本番です。
近年、花粉症やアトピー、アレルギー性鼻炎などのアレルギー性疾患が増加していることは想像に難くないと思います。その原因として指摘されている1つに、衛生仮説があります。
衛生仮説は、1989年英国のStrachan ら研究者達が提唱した仮説に始まります。彼らは、1953年生まれの英国人の新生児17414人の、その後のアレルギー疾患の発症を追跡調査して、ある傾向を見つけました。
それは、 “兄弟や姉妹の多い小児の方が、よりアレルギー疾患に罹りにくく、また兄や姉がいる方が(自分が弟や妹である)、よりアレルギー疾患に罹りにくい” という事実でした。彼らはこれを、兄弟や姉妹の数が多いほど感染が起きやすく、さらに弟や妹の方が兄や姉から感染することが多いために、アレルギー疾患に罹りにくいのではないか、と考えたのです。

先に書きましたTh1とTh2のバランスは、人の免疫系の基本事項です。人は生まれたときは、Th2細胞が優位になっています。これはTh1細胞が産生するIFN-γが母体と胎児の間で拒絶反応を引き起こすことがあるために、自然にTh1を押さえ込んであるからです。そのため新生児ではTh2細胞が優位です。生まれてから種々の細菌やウィルスの感染を受け、少しずつTh1細胞は増えていきます。そしてTh1/Th2バランスが完成して本来の免疫機能を営むようになっていきます。
ところが、新生児期からあまりに清潔な環境、細菌やウィルスに感染しにくい環境で育つと、本来、細菌やウィルスに感染して少しずつ増えてくるはずのTh1細胞が増えず、いつまでたってもTh2細胞優位な状態が続いていきます。
ここで、花粉やダニ、カビなどのアレルゲンに対する反応は、Th2の過剰な反応でしたね?(Th2の過剰な反応) さらにTh1細胞には、Th2細胞を抑制する働きがありました。(Th1/Th2バランス)
この仮説は、Th1細胞が増えず、いつまでもTh2優位な状態が続くと、Th2細胞の反応が暴走してしまい、アレルギー疾患を起こしやすくなってしまう、という理論なのです。
その後、Braun Fahrlander という研究者達が、ドイツ、オーストリア、スイスの農家と非農家の、6-13歳の児童812人について、喘息とアトピー、花粉症の有病率と、寝具のマットレスから採取されたホコリ中のエンドトキシンとの関係を大規模調査しました。その結果、エンドトキシンの測定量が高かった児童の方が、優位に花粉症、喘息、アトピー疾患に罹りにくいことがわかりました。これは、”エンドトキシンに感染の機会が多い環境にある児童ほど、アレルギー疾患になりにくい” ことを示す重要な論文として2002年のNew England Journal of Medicine に掲載されました。エンドトキシンとは、グラム陰性菌の細胞壁由来の毒素のことです。誤解を恐れずに言えば、汚れた布団も気にせずに毎日寝てる児童は、洗濯ばかりしていて清潔すぎる布団に寝ている児童よりも、はるかにアレルギー疾患に強い!ということなのです。

何を意味するか?


これは非常に驚くべきことです。アレルギー疾患は、アレルゲンをいかに除去するか?いかにアレルゲンに触れないか?が重要であると思い込み、幼少児の頃から、清潔な環境に気を使ってきたお母さんたちに向かって、
“あなた方のやっていることは、子供さんのアレルギーを助長することですなのですよ!”
と言っているに等しいことなのです。
米国では、近年、ピーナッツアレルギー対策として、子供へのピーナッツ摂取の時期を3歳以降に遅らせる指導を実施したところ、実際は全米中のピーナッツアレルギー患児が3倍に増加したという調査報告があります。
ここでは詳細を省きますが、寄生虫疾患にかかると、アレルギー疾患になりにくいとの説がありますが、細かいところを省けば、ある意味事実です。
最近の研究では、Th1/Th2バランスだけではなく、エンドトキシンのみではなく、その他にも腸内細菌叢や環境因子の影響もあり、アレルギー疾患の原因を1つに絞ってしまうことはできません。

アレルギーの真実

しかしながら、”毒をもって毒を制する” に似ている、”アレルゲン暴露によってアレルギー疾患が減る” という事実は、どこかで聞いたことがありませんか。
そうです。減感作療法ですよね。

アレルギーとは、奥深い学問だと思います。

嗅覚 -その2-

嗅覚 -その1- に続きます。
前回は、嗅覚のメカニズムについて、基礎医学的な内容をお伝えしました。
今回は、臨床的な話です。

嗅覚がない

目が見えにくくなっても、耳が聴こえなくなっても、すぐに気がつきます。しかし、嗅覚は違います。嗅覚は、5感の中でも最も意識しない感覚と言えるでしょう。そのため、嗅覚に異常があってもすぐには気がつかないことも多く、受診が遅れがちになります。

嗅覚障害には大きく2つあります。
嗅覚低下と嗅覚脱失です。

嗅覚低下は、嗅覚が低下しているもの。
嗅覚脱失は、嗅覚を全く失ったものです。
この他、さまざまな匂いに異常に敏感になり、少しの匂いでも不快に感じる症状の嗅覚過敏、良い匂いが悪臭に感じたり、全く違う匂いに感じてしまう嗅覚錯誤(異臭症)などの疾患もあります。
異臭症は、何の匂いを嗅いでも、焦げ臭い匂いや、ガソリンの匂いに感じてしまう不快な疾患です。

嗅覚障害の検査は?

ほとんどの症状は、嗅覚の低下または脱失です。
検査は、「嗅覚障害診断ガイドライン」(日本鼻科学会)に定められた検査を行います。

基準嗅覚検査、鼻内視鏡検査、CT、必要があれば、アレルギー検査(血液検査)、鼻腔通気度検査などです。まず、鼻内視鏡検査で、鼻腔の奥、嗅裂、上鼻道周囲を徹底的に観察します。鼻中隔わん曲がないか、嗅裂が狭くなっていないか、ポリープや膿性鼻漏はないか、など。アレルギー検査も重要です。鼻づまりがあると、嗅裂まで空気が到達しないからです。副鼻腔炎があるかどうかは、レントゲンではなくCTで診断します。嗅裂、後部篩骨洞の病変はレントゲンでは写らず、正確に診断できないことが多いからです。嗅覚検査は、時間をかけて、丁寧に行います。

嗅覚検査には、匂いがわかるが何の匂いかわからない検知閾値と、何の匂いかわかる認知閾値があります。最も普及しているのは、T&T オルファクトメーターです。

濃度が10倍ごとに濃く設定された(5.4.3.2.1.0.-1.-2)、5種類の匂い物質A.B.C.D.Eを浸したにおい紙(0.7×14cm)の先端を基準臭溶液に1cmだけ浸して、片方の鼻腔の前で本人に匂いを嗅いでもらいます。反対側の鼻には綿花をつめて、匂いが嗅げないようにしておきます。

基準臭A バラの花の匂い、軽くて甘い匂い
基準臭B 焦げた匂い、カラメルの匂い
基準臭C 腐敗臭、古靴下の匂い、汗くさい匂い、納豆の匂い
基準臭D 桃のカンヅメ、甘くて重い匂い
基準臭E 糞臭、野菜くずの匂い、口臭、いやな匂い

ただし、基準臭A-Eは、全て特定の化学物質です。実際のバラの匂いではありません。
例: 基準臭A = β-フェニルエチルアルコール

基準臭5種類(A-E)×8濃度(-2〜5)で、合計最大40回の検査を左右行います。濃度はかならず、低い濃度から検査します。A-Eそれぞれに検知閾値、認知閾値を測定します。特殊な換気ダクトの下で検査室が無臭の状態を作り、検査を行います。1人20分以上時間を要する検査ですが、匂いの検査としては、これ以上評価できるものはありません。

嗅覚検査には、もう1つ、信頼できる検査があります。静脈性嗅覚検査です。これは、ビタミンB1製剤のアリナミンを静注して、その刺激臭(ニンニク臭)を感じるかどうか、感じれば静注から何秒で匂いを感じたか、何秒間匂いが継続したか、を調べる検査です。
静注されたアリナミンは、一瞬で肺を通過し、ここで拡散して呼気中に出てきます。これを鼻腔後部から匂うことができるかどうか、の検査です。鼻づまりの影響を受けず、嗅粘膜が正常に近く反応するかどうかを検査します。アレルギー性鼻炎や鼻中隔わん曲症、慢性副鼻腔炎などで、嗅覚脱失に近いときも、この静脈性嗅覚検査で、匂いを感じることができれば、個人差はありますが、嗅覚は回復する可能性があります。

基準嗅覚検査について、米国、欧州では、早くからプラスチックボトル型、スティック型の検査やマイクロカプセル型、紙を擦って検査するものなど、いろいろな検査方法がありました。日本国内では長く、T&T オルファクトメーターが普及していましたが、生活様式の変化にともない、カラメル、桃のカンヅメ、野菜屑、古靴下など、毎日の生活であまり嗅いだことがないか、よく知らないものがあることから、日本でも最近、マイクロカプセルをスティック状にした「においスティック」、マイクロカプセルをカード式にした「 Open Essence 」などが、開発されています。

嗅神経や頭蓋内疾患による嗅覚障害の診断には、MRIも必要です。

嗅覚障害の診断は?

嗅覚の障害部位によって、簡単に、

呼吸性
嗅粘膜性
嗅神経性
中枢性

の4つに分かれます。

①呼吸性は、アレルギー性鼻炎や鼻中隔わん曲などで、鼻閉がつよく、呼吸による空気が嗅粘膜に到達できない場合。

②嗅粘膜性は、慢性鼻炎や慢性副鼻腔炎などで、嗅粘膜が障害を受けている場合。

①②をあわせて、鼻の病気が原因で嗅覚障害が起きている例です。嗅覚障害全体の60%です。

③嗅神経性は、感冒によるウィルス感染やある種の薬剤(抗がん剤)などにより、嗅細胞や嗅神経が障害を受けている場合。
感冒後嗅覚障害が多く、15%です。

④中枢性は、頭部外傷、脳腫瘍、脳梗塞や、アルツハイマー病やパーキンソン病などで嗅神経を含む脳神経が障害を受けている場合。

上記のハイライト部分、

慢性副鼻腔炎、感冒後ウィルス感染、頭部外傷の3つが、嗅覚障害の3大原因と言われています。

その他、先天性の嗅覚障害があります。
全身疾患を伴わない非症候性、性腺機能不全を伴うコールマン症候群、クラインファルター症候群などです。

加齢による老年性嗅覚障害は、意外と見過ごされています。
人は加齢によって、嗅粘膜上皮の面積が減少し、嗅覚受容体の数も減少します。

嗅覚は、男性では60歳代、女性では70歳代から有意に減退し、65歳以上では、14%が明らかな嗅覚障害をきたしていたと報告されています。また、80歳以上では、75%が高度の嗅覚障害を起こしているとの報告があります。
また、自覚症状はなくても、50歳代から徐々に嗅覚閾値は低下しているとの研究報告もあります。嗅覚の低下は自覚しにくいだけに、注意が必要です。

アルツハイマー病、パーキンソン病の初期症状としての嗅覚障害は有名です。他の神経症状より早く、嗅覚障害だけが出現することも珍しくありません。加齢にともなう嗅覚低下も起こりうる年齢のことが多いだけに、そのほかの神経症状がないか、慎重な判断が望まれます。

治療は?

嗅覚障害の治療は、前記①-④の原因によって、大きく違います。

①呼吸性は、手術(鼻中隔矯正術下鼻甲介手術)などによって、鼻腔通気を十分に改善すれば、かなり回復が望めます。

②嗅粘膜性は、慢性鼻炎、慢性副鼻腔炎の内服治療を行いながら、ステロイド点鼻を継続して行うことで、回復の可能性があります。あわせて、ビタミン剤、漢方薬も効果的です。慢性副鼻腔炎が高度な場合は、手術治療(ESS)などで回復することもあります。 

③嗅神経性は、ステロイド点鼻治療が中心になります。点鼻治療を継続しながら、ビタミン剤、漢方薬などを内服します。

④中枢性は、アルツハイマー病やパーキンソン病、脳腫瘍、脳梗塞などは、その疾患の治療を行います。頭部外傷後は、③と同様にステロイド点鼻治療と内服治療を継続します。

①呼吸性、②慢性副鼻腔炎などが原因であるときは、嗅覚の回復は良好です。
しかしながら、③感冒後ウィルス感染や、頭部外傷後などでは、治療効果は高くなく、50%程度にとどまるとされています。

おわりに

匂いは、人生を豊かにしてくれます。
匂いは、何気ない日常生活の中で、喜びや感動を増やしてくれます。
人間の5感のなかでも、目立たず、それでいて、しっかりと一生を支えてくれている感覚。
みなさん、嗅覚を大切にしましょう。
そして、その大切な嗅覚がおかしいときは、すぐに、お近くの耳鼻咽喉科へ直行してください。

アロマの精油の匂い (イメージ)
コーヒーの匂いを楽しむ女性 (イメージ)

嗅覚 -その1-

今回は、嗅覚について書きたいと思います。嗅覚は、非常に量が多いので、2-3回に分けて書こうと思います。まず今回は、嗅覚とは何かを理解してください。

嗅覚

ご自分で、鼻がわるいのでは?と思うとき、嗅覚がきっかけのことが多いような気がします。庭に咲いた金木犀(きんもくせい)の花の香りが自分だけわからないとき、あれっ、と思った経験はないでしょうか。

玄関の花の匂い、食卓の料理の匂い、台所のゴミやトイレの匂いなど、良い匂いから嫌な匂いまで、匂いは日常生活に溢れています。匂いがある生活は、私たちの暮らしをより豊かにしてくれます。普段は、当たり前のことかもしれませんが。

嗅覚とは?

文字通り、匂いの感覚のことです。
もう少し専門的に言うと、
「匂い分子を感知し、正しく認知すること」
です。
匂い分子を、鼻腔の奥の嗅粘膜で感知します。

匂い分子とは?

分子量300以下の揮発性低分子有機化合物のことです。
ここで、化学のお話です。
地球上のすべての物質は原子からできています。化学の授業で習った、元素表がありましたね。H (水素) C (炭素) N (窒素) O (酸素) P (リン) S (硫黄) などなど。
生体の細胞も、血液も、臓器も、脳も、骨や筋肉も、皮膚や粘膜や髪の毛まで、じつは全部が、この原子の集まりなのです。小さすぎて何か信じられない感じですが、事実です。生体の最小単位である細胞も、その中にある遺伝子のDNA も。細胞質内にある、タンパク質やアミノ酸、DNAの塩基配列になると、初めて分子化合物がでてきますから、何となくわかります。細胞を包む細胞膜は、脂質2重層で、フォスファチジルコリンなどのリン脂質が2重に規則正しく並んでいます。

話が完全に逸れてしまいましたが、地球上に200万種類以上と言われる「低分子」有機化合物のうち、40-50万種類くらいが、「匂う」分子化合物とされています。匂うためには、揮発性でなくてはならず、分子量が大きいと重くて揮発できないからです。匂い物質は、揮発して空気中を漂う必要があり、揮発性、低分子、有機化合物でなくてはならないのです。そのため、分子量300以下になっています。実際は30-300くらいです。

匂い物質は、分子量300以下の、揮発性低分子有機化合物であること。
言いたかったのはこれだけです。

嗅覚のメカニズム

どのようにして、匂いを感じるのでしょう。
匂い物質は、鼻腔の奥の嗅粘膜に達してそこで粘膜上を層状に覆う粘液に溶け込みます。②匂い物質は、嗅細胞から粘液中に出ている嗅毛という毛に存在する嗅覚受容体と結合します。
③嗅覚受容体の興奮が嗅細胞へ伝わり、嗅細胞から電気信号が、篩骨天蓋(鼻腔の天井と頭蓋内を分ける骨板)の隙間を通って、頭蓋内の嗅球(嗅神経の先端が太くなった部分)に伝達されます。
④嗅球の電気信号が嗅神経を通って脳幹へ伝わります。

文章で書くと、とても複雑です。図を見て理解してください。

図1 1 嗅球 2 僧帽細胞 3 篩板 4 嗅粘膜上皮 5 嗅糸球体 6 嗅覚受容細胞
  (嗅覚 Wikipedia より引用)

嗅覚のメカニズムには特徴があります。
ヒトの嗅覚受容体は、400種類あります。
1つの嗅細胞からでる嗅毛には1種類の嗅覚受容体しかありません。(図1 6)
図1の嗅細胞と嗅覚受容体は、赤なら赤、青なら青、緑なら緑です。

そこで、疑問です。400種類の受容体しかないなら、ヒトは400種類の匂いしか感知できないのでしょうか。
いいえ、そうではありません。

1つの匂い物質は、複数の嗅覚受容体を興奮させることがわかっています。例えば、オイゲノール eugenol (チョウジ油、桂皮油などに含まれる精油)という匂い物質は、45の嗅覚受容体を興奮させることが分かっています。鍵-鍵穴反応です。さらに、1つの嗅覚受容体は、複数の匂い物質に反応します。こうなると、1対1対応ではありませんので、組み合わせはほぼ無限に近くなり、非常に多くの匂い物質に対応できることになるのです。

哺乳類で嗅覚受容体遺伝子を調べた研究では、アフリカゾウ1948個、マウス1130個、イヌ811個、ヒト396個との結果が報告されています。(2014年 東京大学)

ヒトの嗅覚受容体の総数は、4000万個です。400種類ですから、1種類の受容体あたり10万個の嗅覚受容体が嗅粘膜上皮に分布していることになります。

さらに、同じ1種類の嗅覚受容体は、すべて嗅球(1)の同じ糸球体(5)に集まります。図1で、青、赤、緑色の糸球体は、それぞれ1種類の嗅覚受容体のみが集まっています。糸球体の電気信号は、すぐ横にある僧帽細胞(2)にまとめられ、400種類のどの嗅覚受容体が興奮したかが電気信号のネットワークとして嗅神経から大脳へ伝達されます。大脳で嗅覚情報を処理するところは、大脳辺縁系の一部です。嗅細胞の寿命は40日と言われ、再生を繰り返していると言われます。

さらに、嗅覚には、嗅覚疲労という現象があります。同じ匂いを続けて嗅ぎ続けると、僅か数分で匂いに対する感度が著しく低下します。

ものすごく複雑で難解な、基礎医学の話になりました。しかし、この重要な嗅覚のメカニズムを知らないと、嗅覚についての理解は中途半端になってしまいます。この項に書いたことは、実はまだ新しく、1991年にコロンビア大学のRichard Axel 博士と、フレッドハッチンソンがん研究所のLinda Buck 博士が、米国Cell誌に発表した画期的な論文が世界初なのです。それまでは、立体化学説、膜吸着説、粒子説、分子振動説など、さまざまな説が提唱されましたが、どれも嗅覚の本当のメカニズムを解明することはできなかったのです。
Richard Axel 博士とLinda Buck 博士は、この研究で、2004年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

比較的理解しやすい嗅覚生理学の本です。

嗅覚 -その2- へ

嗅覚の基礎的なメカニズムがわかりました。やっと臨床的な話です。これから、嗅覚障害の話題に移りたいと思いますが、今回はかなり長くなったので、次の機会にしたいと思います。 (嗅覚 -その2- へ続きます)

咳(せき)

今回は、咳についてのお話です。

咳とは?

咳は、
①気道内に侵入した異物(ウィルス、細菌、粉塵、有毒ガス)の侵入阻止と、
②気道内で過剰生産された分泌物を排出させるための、
重要な生体防御機構の1つです。
症状としてつらい咳は、本来は、生体を守るためのなくてはならない機構の1つなのです。

咳のメカニズム

咳は、鼻腔、喉頭、気管、気管支、肺胞などの気道粘膜に存在する、4つの知覚受容体が刺激を受けることにより発現します。
その受容体は、
①刺激受容体
②伸展受容器
③気管支無髄C線維
④肺胞C線維
です。

これらの受容体や神経線維からの興奮刺激が、三叉神経、舌咽神経、上喉頭神経、迷走神経、横隔神経を介して、延髄網様体のせき中枢に伝えられ、せき中枢からのインパルスが、迷走神経、肋間神経、横隔神経、下咽頭神経、腹壁筋を支配する神経に脊髄前角経由で伝えられて、せき反射が起こります。

①は、異物や気道粘液、刺激性ガス、化学物質に対して、刺激に即座に反応します。②は、気管支壁の伸展によって呼吸の数と深さを規定する反射の受容体です。①②は、咳を促進します。③④は、気管支、肺胞に存在する無髄神経C線維で、咳の抑制に働きます。
この4つの受容体が、うまくバランスをとって、咳を調節していると考えて良いと思います。

最近では、せき反射は、単なる延髄の脳幹反射ではなく、せきが出るときは、せき衝動( urge to cough )が、まず起こり、それが大脳皮質のせき衝動感覚野に伝わり、せき運動野からのインパルスが延髄のせき中枢や脊髄前角細胞をコントロールしていることもわかってきています。すなわち、咳は延髄反射だけではなく、もっと上位の大脳皮質の制御を受けているということです。

最近の報告では、シクロオキシゲナーゼ(COX2)より生合成されるプロスタグランジン(PGE2、PGE2α)、アナンダマイド、NO、ATP、ヒスタミン、テトロドトキシン抵抗性Na+チャネル、冷刺激で活性化されるTRPA1、など非常に多くの受容体が複雑に関与していることがわかっています。
基礎生理学的な内容ですこし複雑なことを書きました。
せき反射は、生体の重要な中枢である延髄で起こっていること、さらに生体内の数多くの受容体や物質が、せき反射に関与していること、それほど咳は重要な生体反射であることが、理解できると思います。

咳の分類

臨床的な咳の分類は、咳の持続期間によって分けられます。咳のことを咳嗽(がいそう)といいます。
急性咳嗽  3週未満
遷延性咳嗽 3-8週間
慢性咳嗽  8週以上
問題となるのは8週以上続く慢性咳嗽です。喘息発作、肺炎による咳、その他、聴診や胸部レントゲンで異常があり、咳の原因となる明らかな疾患が存在するときは、その治療を行うことが原則です。ここで問題にするのは、原因がわからない慢性咳嗽のことです。
さらに、咳には喀痰ありの咳=湿性咳嗽(ゼロゼロ)と、喀痰なしの咳=乾性咳嗽(コンコン)があります。前者のときは、第一に、副鼻腔気管支症候群を疑うべきです。乾性咳嗽には、せき喘息、アトピー咳嗽、胃食道逆流による咳嗽、感染後咳嗽(感冒後咳嗽)が、あります。

症状と診断

先に書きましたが、咳はまず、喀痰がありとなしで大きく分かれます。

喀痰ありのとき、特殊な疾患の鑑別が必要な場合を除けば、多くは、副鼻腔気管支症候群と診断できます。これは、後鼻漏による咳と言うとわかりやすいと思います。風邪のときに副鼻腔炎を併発し、風邪が治ったあとも、副鼻腔炎による後鼻漏が続いて気管支に流れ込むために、湿性の咳が止まらなくなるものです。治療は、クラリス、エリスロマイシンなどマクロライド系の抗菌薬を少量長期投与(8週間)行う事で咳が改善します。

喀痰なしのときは、
①せき喘息
②アトピー咳嗽
③胃食道逆流による咳嗽
④感染後(感冒後)咳嗽
のことが多くなります。

①②せき喘息、アトピー咳嗽は、季節性があり、夜間から明け方に咳がひどい特徴があります。会話や運動によって悪化することが多く、話している途中で咳が出てきて話せなくなります。気温の変化などでも悪化します。
③胃食道逆流による咳嗽は、起床時、食事、会話で悪化しやすく、胸焼け、げっぷ、咽喉頭異常感をともないます。治療は、プロトンポンプ阻害薬を8週間内服します。咳の改善には時間を要します。
④感染後咳嗽は、ウィルスや細菌による気道感染後に炎症が残っている状態です。多くは、時間とともに自然軽快します。マイコプラズマや百日咳による咳は、長期化しますので、注意が必要です。
特殊な咳として、血圧の薬、ACE阻害薬による咳もあります。薬剤服用歴の確認も重要です。

治療

せきの治療は、基本的に原因疾患に対する治療を行います。

副鼻腔気管支症候群は、クラリス、エリスロマイシンを少量長期投与8週間、
胃食道逆流による咳嗽は、プロトンポンプ阻害薬 (PPI) を8週間、
せき喘息は、気管支拡張薬や吸入ステロイド、
アトピー咳嗽は、抗ヒスタミン薬と吸入ステロイド、
などの治療が標準的で多くの施設で行われます。
せき喘息とアトピー咳嗽の鑑別が難しいとき、抗ヒスタミン薬が奏功すれば、アトピー咳嗽の可能性が高いと言えます。

先に書きましたが、せきの治療は、基本的に原因疾患に対する治療を優先させなければなりません。鎮咳薬は効果がありますが、あくまで対症療法なので、根本的な治療にはなりません。ただし、症状を抑える意味での鎮咳薬の投与は認められるべきですので、すこし鎮咳薬について書きます。

鎮咳薬は、中枢性と末梢性があり、中枢性はさらに麻薬性と非麻薬性に分かれます。中枢性鎮咳薬は、咳中枢からのインパルス抑制に、末梢性鎮咳薬は、気道のせき受容体からのインパルス抑制に働きます。
中枢性鎮咳薬のうち、麻薬性は非常に効果が高く、非麻薬性が2番目、末梢性が3番目に効くとされてきます。ちなみに、ここでいう麻薬は習慣性などの心配の全くない量で処方されるようになっています。

見逃していけない咳

咳の原因を1つに絞ってしまうことはよくありません。常にいろいろな疾患の可能性を考えておくべきです。今まで書いてきた咳以外に、重篤で見逃してはいけない咳があります。
肺炎、結核、肺がん、間質性肺炎、肺血栓塞栓症、心不全、気胸、重症喘息発作などです。それぞれの疾患に鑑別診断の要点がありますので、その可能性を疑ったら、慎重に検査を進めていきます。
要は、他の原因の可能性を常に頭に置いておくことだと思います。

咳が続くとき

先に書いた内容をよく読んで自分がどれに当てはまるか考えましょう。おおよその検討はつくはずです。
風邪のあとか? 
後鼻漏はあるか? 
逆流性食道炎はないか? 
アトピーはあるか? 
季節性に悪くなるか? 
夜間明け方に多いか? 
喘息の吸入薬がよく効くか? 
抗ヒスタミン薬がよく効くか? など。

これらの症状と特徴を理解して、お近くの耳鼻咽喉科または内科へ受診してください。後鼻漏があるときは耳鼻咽喉科がおすすめです。

咳はつらい症状の一つです。
咳が続くと肉体的にも精神的にもかなりストレスになります。何週間も続いているなら尚更です。早くかかりつけ医を受診して診断をつけて治療してもらってください。

咳き込む女性 (イメージ)


くしゃみ

誰もがする、くしゃみ。
でも、そもそもくしゃみってどうして起こるのか、知っていますか?

くしゃみとは何?

くしゃみは、鼻粘膜刺激による延髄の反射とそれによって起こる急激な呼吸運動です。
1回または複数回の深い吸気の後、肺内圧が急上昇し、呼吸筋の短時間のつよい収縮によって、激しい爆発的な呼気を起こして、鼻腔内や口腔内から空気とともに体内へ侵入しようとする異物やウィルスを吹き飛ばして除去しようとする、生体の防御反応の1つです。

くしゃみは何故でるの?

すこし専門的に述べますと、
①鼻の粘膜には、三叉(さんさ)神経の末梢枝が張り巡らされています。鼻粘膜が刺激を受けると、三叉神経終末の知覚受容体からの電気信号が三叉神経の脊髄路核へ伝達され、延髄網様体のくしゃみ中枢に送られます。
②延髄網様体のくしゃみ中枢から信号伝達された、脊髄前角・横隔神経核、三叉神経運動核、顔面神経核、疑核、舌下神経核から、即座に反射路を介して電気信号のインパルスが送られます。
③このとき、横隔神経核と脊髄前角から深吸気を、疑核と反回神経から声門の閉鎖を起こして、肺内圧を急激に高め、爆発的な空気の呼出の準備がなされます。
④その後、6本の脳神経(5,7,9,10,11,12)と、横隔神経、肋間神経、頚神経、腕神経叢を経由して、横隔膜、肋間筋、腹筋、補助呼吸筋、咽喉頭筋、表情筋、舌筋、咀嚼筋、などに電気信号が送られて一瞬で強大な呼気を起こします。
⑤鼻粘膜の三叉神経の刺激は、くしゃみ中枢と同時に分泌中枢=橋延髄網様体の唾液核へも伝達されるため、唾液核から翼口蓋神経節を介して、鼻粘膜へ鼻汁分泌の刺激が送られて、水様性鼻漏(水のような鼻水)の分泌が起こります。このため、くしゃみ発作に連続して、水様性の鼻水が多量に出るのです。

光刺激によるくしゃみ発作の機序はすこし違います。
①光刺激が網膜の視神経を興奮させ、視蓋オリーブ核から中脳の対光反射中枢 (動眼神経副核、Edinger-westphal 核) へ伝達され、動眼神経から毛様体神経節へ戻ります。毛様体神経節から短毛様体神経が眼球内に入り、瞳孔括約筋に作用して、眩しいときに縮瞳(瞳孔が狭くなり光の量を減らすこと)が起こります。
これが、通常の対光反射です。
②この神経経路の対光反射中枢までの入力は同じですが、対光反射中枢から翼口蓋神経節につながる神経があり、翼口蓋神経節からの神経が鼻粘膜を刺激して、鼻粘膜の充血と鼻汁分泌が起こります。鼻粘膜の充血と鼻汁分泌が起こると、その刺激が三叉神経を経由した前述の①-⑤の反応が起こり、同じように、くしゃみと鼻水がでるのです。
この光刺激によるくしゃみは、光刺激によって、眩しいと感じて瞳孔が収縮するまでの反応(対光反射)のごく短い時間に、突然起こるのが特徴です。通常、単発または2回ほどまでで、それ以上連続しません。

その他、顔面の皮膚刺激も、三叉神経を経由してくしゃみ中枢へ伝えられるため、くしゃみを誘発します。通る神経回路は、鼻粘膜刺激と同じです。

すごく複雑な神経回路です。よく理解できなくて当然ですし、その必要もありません。
一体何が言いたいかというと、くしゃみは生体を防御するために、非常に広範囲の知覚神経、多くの脳幹の神経核、6本の脳神経(脳神経12本の半分!)、多くの呼吸筋、顔面筋、舌筋、横隔膜などを総動員させて、体の半分近くを使って、すごい作業を行なっています!ということなのです。
それも一瞬のうちに。

ちなみに、くしゃみの風速は、以前は時速320Km=新幹線くらいと報告されていましたが、現在のハイビジョンカメラを使用した実験では、秒速4.5-7m、時速16-25Km が、正確な値のようです。

くしゃみの原因

くしゃみの原因は、さまざまです。

①小さなゴミやほこりなどの刺激物質、
②感冒やウィルスによる急性鼻炎、
③アレルギー性鼻炎や花粉症によるもの、
④春先や秋口の気温の温度差が激しいときの自律神経のアンバランス、
⑤朝のモーニングアタック、
などです。

くしゃみの刺激物質は、花粉、胡椒などの粉末、ミントなどの香料、キシロール、ベンゾール、エーテル、ピリジン、酢酸、アンモニア、カプサイシン(唐辛子に含まれる成分)、ホルマリンなどの化学物質、クロロフォルムなどの麻酔薬があります。
くしゃみは、紙縒りなどの物理的刺激、寒冷刺激、光刺激、顔面の皮膚刺激、結膜刺激などでも誘発されます。
これらのうち、①-④は、前述の仕組みで、くしゃみを起こします。
③のアレルギー性鼻炎によるくしゃみは、鼻粘膜におけるアレルゲンの暴露が、肥満細胞からのヒスタミンやロイコトリエンの分泌放出を促し、ヒスタミンが、三叉神経知覚受容体を刺激して、前項に書いた①-④のくしゃみの起こる仕組みに入っていきます。
⑤のモーニングアタックは、早朝の副交感神経から交感神経への切り替えが、朝起床時にすぐに切り替わらないことによって起こります。
その他に、タバコの煙や過度の鼻かみ、鼻粘膜の乾燥なども誘因になることがあります。

診断と治療は?

くしゃみの原因によります。

アレルギー性鼻炎ならば、アレルギー性鼻炎の診断と治療を行います。風邪やウィルスによる急性鼻炎なら、風邪やウィルス性上気道炎の治療を行います。風邪やウィルスによる急性鼻炎のくしゃみは、1週間ほどでよくなります。2週間以上続くくしゃみは、アレルギー性鼻炎を疑ったほうが良いでしょう。
くしゃみ刺激物質によるくしゃみなら、とくに治療は必要ありません。刺激を避けることが治療になります。異物によるくしゃみも同様です。生体の防御反応の1つです。モーニングアタックも同様に、自律神経の切り替えが原因ですので、治療は必要ありません。モーニングアタックは、人種差が報告されており、日本人で25%、黒人で0%です。
アレルギー性鼻炎によるくしゃみか、血管運動性鼻炎などの自律神経のアンバランスによるくしゃみかを簡単に診断するには、鼻内視鏡による鼻粘膜の色調の変化や水様性鼻漏の性状の観察、鼻汁好酸球検査によって好酸球染色の有無を調べることで容易に判断できます。

いずれの原因であっても、くしゃみ発作には、抗ヒスタミン薬などの抗アレルギー薬が非常に効果があります。抗ヒスタミン薬、抗ロイコトリエン薬、鼻噴霧ステロイド薬(点鼻スプレー)も同様です。抗ヒスタミン薬は即効性があります。鼻噴霧ステロイド薬はつよい抗炎症効果によってくしゃみ発作を強力に抑制します。
一般に、くしゃみの予防には抗ロイコトリエン薬や鼻噴霧ステロイドが効果があり、すでに発症したくしゃみ発作には、抗ヒスタミン薬が優れていると報告されています。
これは、アレルギー性鼻炎だけでなく、血管運動性鼻炎などの非アレルギー性鼻炎に対しても、一定の効果がある治療です。
一般に、くしゃみだけの鼻症状は少なく、ほとんどの場合は、鼻づまりや、水様性鼻漏をともない、風邪のときは、熱発や咽頭痛、咳などを合併しています。これらを総合して判断することが重要です。

くしゃみが出たら…

古来、英語圏では、くしゃみをすると周囲の人から、God bless you と言われます。これは、くしゃみは、忌避すべきペストの初期症状との言い伝えがあったからです。
現代では、くしゃみが連発したら、かかりつけ医の耳鼻咽喉科ですね。

つらいくしゃみ発作 (イメージ)

はなみず

はなみず、鼻水、鼻汁、鼻漏。
いろいろな呼び方がありますが、要は鼻からでる液体のことです。耳鼻咽喉科の正しい語句は、鼻漏(びろう)といいますが、ここでは一般に鼻汁とします。
今回は、鼻汁について書きます。

鼻汁

鼻汁とは何でしょう?
鼻汁は、鼻腔、副鼻腔からの分泌液、涙液、粘膜からの漏出液、呼気から凝結した水分からなります。
鼻汁の成分は大部分が水分であり、ムチン、分泌型IgA、リゾチーム、ラクトフェリン等を含んでいます。
鼻汁は鼻粘膜の防御機構に深く関わっています。鼻汁は温かい鼻粘膜とともに、鼻呼吸に際して鼻からの吸気を加温、加湿し、さらに呼気中の水分を鼻粘膜で再吸収しており、鼻腔内の水分バランスを一定に保つ働きを担っています。24時間に鼻腔から分泌される鼻汁の量は約1Lですが、そのうちの700ml が吸気時の加湿に使われています。
鼻汁と鼻粘膜の加温加湿機能によって、冷たい空気を吸い込んでも、鼻腔の奥で、30℃、70%の空気となって肺へ吸い込まれていきます。
鼻汁は、漿液性、粘液性、膿性、ムチン、血性と、性状によって分類されています。

粘液ブランケット


鼻汁は、鼻粘膜を覆っており、粘液ブランケットという粘液層を形成しています。粘液ブランケットは2層で構成され、深層は粘性が低いゾル層、浅層は粘性が高いゲル層です。深層は鼻粘膜の最外層、呼吸上皮にある線毛を覆っており、1方向へ波打つように動いています。この線毛間隙を埋めているのが、粘性の低いゾル層で、ゾル層はわずか約7μmの高さです。
鼻汁は、鼻腔の生理機能にきわめて重要です。空気中の微粒子を粘液ブランケットで捉えて、呼吸上皮にある多列線毛上皮の線毛の動きにより、粘液ブランケットごと咽頭方向へ移動させることによって異物を排除しています。この粘液線毛輸送機能が効果的に働くには、適切な粘弾性が必要です。この粘弾性は、分子量数100万の巨大な高分子糖タンパクであり重合して複雑な集合体を形成する特徴をもつムチンと呼ばれる物質によって与えられています。
この粘液ブランケットが、鼻汁による生体防御機構に深く関わっているのです。

鼻粘膜

さて、鼻汁が覆っている鼻粘膜の構造はどうなっているのでしょう。鼻粘膜は、嗅裂に存在する嗅上皮と、大部分を占める呼吸上皮からなります。呼吸上皮には、多列線毛細胞と杯細胞が混在し、呼吸上皮の下層の粘膜固有層には、血管網、神経と鼻腺が存在します。
鼻汁産生に関与しているのは、呼吸上皮の杯細胞と粘膜固有層の鼻腺です。すなわち、鼻粘膜の表面の杯細胞とそのすぐ下にある鼻腺が鼻汁を産生していることになります。
杯細胞は、呼吸上皮の5-15%を占めており、細胞上部の細胞質に直径1-2μmのムチン分泌顆粒があり、ムチンの産生と分泌に関与しています。
鼻腺は、粘膜固有層に豊富に存在する混合腺です。混合腺なので、漿液腺細胞と粘液腺細胞から構成されており、鼻腺開口部から導管、粘液腺細胞、漿液腺細胞の順に配列しています。粘液腺細胞はムチンを分泌しており、漿液腺細胞は、水分や電解質、IgAを分泌します。末端の漿液腺細胞から分泌された水分が、粘液腺細胞から分泌されるムチンを押し出して、混合して鼻汁として鼻腺から分泌される仕組みになっています。

ムチン

鼻汁の粘弾性を決定する物質としてムチンがあります。ムチンは、分子量数100万の巨大な高分子糖タンパクで、重合して複雑な集合体を形成します。ムチンをコードする遺伝子はMUCで20種類以上あり、杯細胞や鼻腺にも発現しています。
ムチン産生には鼻腔粘膜と副鼻腔粘膜で違っています。鼻腔粘膜は粘膜固有層が多く、副鼻腔粘膜は粘膜固有層が少ないため、ムチン分泌は鼻腔粘膜が多くなります。
慢性副鼻腔炎では、MUC遺伝子発現が亢進し、ムチンの産生が亢進するために、粘稠な鼻汁が過剰に産生されます。ムチンは、初め分泌顆粒の状態で、鼻腺内にある粘液腺細胞から分泌され、同じく鼻腺内の漿液細胞から分泌される水分と混ざり、ムチン分泌顆粒が水分を吸収して最終的に粘弾性をもつ粘液になるのです。したがって、鼻汁の粘弾性は、ムチンの産生量と水分量のバランスで決定されます。

鼻汁、神経、血管

鼻副鼻腔の腺分泌と血管は、複雑な神経制御を受けています。
分布している神経は、三叉神経終末、交感神経、副交感神経です。
三叉神経は、鼻粘膜上皮、粘膜固有層に分布します。三叉神経→三叉神経脊髄路核→延髄網様体へ投射されます。
交感神経は、胸髄から起こり→上頚神経節→深錐体神経→翼突管神経(ヴィディアン神経)→翼口蓋神経節→鼻粘膜へ分布します。
副交感神経は、延髄の上唾液核から起こり→顔面神経→大錐体神経→深錐体神経→翼突管神経(ヴィディアン神経)→翼口蓋神経節→鼻粘膜へ分布します。
ここで、交感神経と副交感神経は、両方とも翼突管神経(ヴィディアン神経)と翼口蓋神経節を通過することがわかります。

鼻腺からの鼻汁分泌に関しては、コリン作動性の副交感神経が最も重要です。
アレルギー性鼻炎では、肥満細胞から分泌されたヒスタミンが知覚神経のヒスタミンH1受容体を刺激します。中枢性の反射を経由して副交感神経終末からアセチルコリンという物質が分泌されます。アセチルコリンは、鼻腺の腺細胞に作用して鼻汁産生を亢進します。アセチルコリン以外には、血管作動性腸管ペプチド(Vasoactive intestinal peptide : VIP)が、鼻腺の腺細胞に作用して鼻汁産生を亢進します。
VIP は同時に、血管網の動静脈の血管拡張を起こします。
非アレルギー性鼻炎では、化学的刺激、機械的刺激、温度刺激を感知するTRP ( Transient receptor potential )チャネルを介する神経制御があります。鼻粘膜には、vanilloid 受容体1と、ankyrin1 受容体の2つがあります。これらの受容体が刺激されると、中枢反射を通らない軸索反射によって、substance P その他の物質が分泌されて、粘膜固有層にある血管の拡張および血管透過性亢進が起こります。そのため、非アレルギー性鼻炎でも、アレルギー性鼻炎と同様な病態が起こるのです。
(この部分は難解なので忘れてください)

かなり複雑になりましたが、要点は、鼻粘膜の三叉神経刺激による中枢の神経反射によって、副交感神経からアセチルコリンが分泌されると、鼻汁がたくさん出てくる、ということです。

鼻水の意味

鼻水=鼻汁は、鼻粘膜を覆い、粘液ブランケットにより異物の除去を行い、吸気や呼気中の水分バランスを調整しています。そのバランスは、主に交感神経-副交感神経のバランスによって自動調整されています。しかしいったんそのバランスが崩れると、鼻汁分泌が多量になり、日常生活に支障をきたすほど不快な症状になってしまいます。
快適な鼻呼吸のためには、鼻づまりだけでなく、鼻水もコントロールされている状態が望ましいのです。鼻水、鼻づまりはセットで調子が良い状態に整えていきましょう。鼻水が多くて困るときは、ぜひお近くの耳鼻咽喉科へご相談ください。

鼻をかむ女性 (イメージです)


2022年5月






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