急性鼻炎 

急性鼻炎の多くは、いわゆる鼻かぜと同じと考えてよいでしょう。大部分がかぜのウイルスによって引き起こされます。
代表的なウイルスとして、ライノウイルス、RSウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルスがあります。ウイルス感染に合併して細菌感染を生じることもあります。

ウイルス感染によって急性鼻炎が長く続くと、多くは鼻づまりから細菌感染が起こり、副鼻腔炎を起こしてきます。
副鼻腔炎は90%がウイルス性と言われますが、多くの場合、のちに細菌感染を併発してウイルスと細菌の混合感染になります。

鼻粘膜にウイルス感染が起こると、炎症メディエイターであるヒスタミン、ブラジキニンが放出され、この2つによって、三叉神経終末の刺激反射による鼻腺分泌亢進と毛細血管からの血漿漏出が起こります。
そのため、鼻水が大量に出てきます。これが急性鼻炎の正体です。
急性鼻炎の鼻水は、水様性で無色透明です。

子どもの鼻水

子どもさんが鼻水をずるずるしています。
熱はなさそうですが、とにかく鼻水が出ています。色は透明です。のどもぜろぜろして、機嫌が悪そう。
こんな時、お母さんたちは、どうするでしょう。熱がないからとりあえず様子をみる。熱がなくても小児科や耳鼻科に連れていく。もちろん、どちらも正解です。子どもさんの具合とお母さんの希望で決めて良いのです。でも、どちらの場合も、子どもさんの鼻水をお母さんが吸ってあげてください。とくに小さい子どもさんは、自分で鼻をかむことができません。鼻水が出ていると、出たままになります。子どもさんの鼻腔は狭いので、副鼻腔炎を起こすと膿性の鼻水がのどへ落ちてきます。細い気管支に流れ込んで、気管支炎を起こし、ぜろぜろするのです。この時の咳は、湿性(湿り気のある)の咳です。痰がからんだ咳をします。
この状態の子どもさんが、外来には非常に多く来ます。

どんな鼻水?

水っぽい鼻水、どろっとした黄色い鼻水、どちらもお母さんは心配されます。
風邪のウイルスによる水っぽい鼻水は、ウイルス感染が治まると自然に治ってきます。治りかけに一過性に黄色い鼻水が出ることがありますが、そのまま治ります。
問題は、水っぽい鼻水が長く続いて、副鼻腔炎を起こしたときです。黄色や緑っぽい色のどろっとした膿のような鼻水がずるずる出てきます。のどの方へも流れてきて気管支炎の原因になります。

鼻水の治療は?

では、治療はどうすれば良いのでしょう。
子どもさんの鼻水の治療は、まず吸引してあげることです。これが一番重要な治療になります。小さな子どもさんは自分で鼻をかむことができませんから、吸ってあげるのです。

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他にもいろいろなwebサイトがあります。ご自身でお調べください。

何のために?

鼻水が出て、鼻吸引の治療がベストなことは理解できました。でも一体何のために、鼻の吸引が必要なのでしょうか。

その1番の理由は、口呼吸を回避して、正常な鼻呼吸を取り戻すことです。
鼻呼吸の必要性と口呼吸の弊害は、繰り返し述べても述べても、決して言い過ぎではありません。
以前に書いたトピックスです。
ぜひ、お読みください。

鼻づまり

口呼吸

鼻水が出ると…
お母さんは心配です。
(イメージです。)

院長 定永正之

定永正之(さだながまさゆき)
耳鼻咽喉科医師・耳鼻咽喉科専門医

先代から50年、宮崎県宮崎市で耳鼻咽喉科診療所を開業。一般外来診療から手術治療まで幅広く耳鼻咽喉科疾患に対応しています。1990年宮崎医科大学卒。「治す治療」をコンセプトに日々患者様と向き合っています。土曜日の午後も18時まで外来診療を行っていますので、急患にも対応可能です。
https://www.sadanaga.jp/

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